2023.12.30〜2024.01.30

 

20231230日、午後20時を過ぎた頃。

 

なんとか夕方までに大掃除終わらせ、こたつで一息ついていた。明日の大晦日は一体何を見て年を越せばいいんだろうなんてぼんやりと考えながら、掃除でくたくたの身体が既に寝たがっているのを横目にだらしなく横になり、スマホでゲームをしていたような気がする。多分。

 

「生配信のお知らせ無かったな〜、まぁでも久しぶりに家でゆっくり年越し出来るならいいよね。初日の出リベンジしてほしいけど、病み上がりは無理か。」

 

なんて呑気に考えていた自分を起き上がらせたのは友人の上田担からのLINEだった。

 

「福本大晴、大丈夫?」

 

通知を見て固まる。大丈夫?どういう事?え、どういう事?何が?思わず正座すると、そのまま「何が?」と返信する。この頃大晴くんは〝体調不良〟でしばらくお仕事を休んでいた。今年ずっと働き詰めでプライベートに余裕出来たの最近だったし、この年末に一気にガタが来ちゃったのかな?インフルかな?って心配しながらも、気付けば彼のいないクリスマスを通り越し年末を迎えていた。「ゴールデンラヴィットに出るの見たかったなー、ちゃかちゃんありがとう」とか言いながら。当時を思い返す度に自分の呑気さにびっくりする。

 

真っ先に思ったのは、もしかしてコロナみたいな大きな病気にかかったり、酷い怪我でもしたんじゃないかって事。

 

今思えばこっちの方がまだマシだった。マシって言い方は良くないけど、でも、絶対にこっちの方がマシだった。基本的にメールボックスは開かない人間なので情報局メールを見るという習慣がない。というかそんなお知らせが来てるとも思ってなかった。なんせ上田担の友達から聞いたので、情報源は恐らくSNSだろうと踏んでXを開く。トレンドの欄に、大晴くんの名前があった。でも今日は名前だけじゃなかった。

 

福本大晴 コンプライアンス違反 契約解除

 

比喩でもなんでもなく、頭が真っ白になるってこういう事なんだなぁってやけに冷静な自分もいて、でもそんな冷静な自分は一瞬しか居てくれなくて、状況を飲み込めないままパブサする。情報を自分の目で確認する度、ぐわんぐわんって変な音を立てて回り続ける頭の中から不協和音を響かせて視界がぼやけていく。この時、友人に言い放った言葉は一生忘れない。

 

「無理だよ、大晴いないと無理だもん、無理無理」

 

無理なのは私なのか、グループが、なのか。多分、両方だったと思う。オタクのくせに語彙力がないから口から出てくる言葉は「無理」「なんで?」「意味わかんないんだけど」の三つだけ。この単語だけで会話が成り立つわけもなく、上田担の友達はひたすら相槌に徹してくれてた気がする。グループからメンバーが抜ける事に関しては間違いなく先輩であり、なんなら一人どころの話ではない。普段大晴くんの話をしてもいつも茶化してくるのに、この日だけはなんだか彼女もしんどそうだった。

 

気持ち悪いほど泣いた。何か言葉を発しようとすればするほど、先行して涙が出てくる。感情を言葉に出来ない。言葉として形成される前に涙としてとめどなく溢れてくる。

 

何が問題かって、実はこの日21時から元旦に籍を入れる予定のマブとマブのダーリンと上田担の四人で一緒にゲームする予定を入れていた。おめでとうって言いながら楽しくゲームするはずの予定を、まさかお通夜会場にする訳にもいかない。

 

かといって涙が止まるわけもない。

 

仕方なくそのまま参加する。電話を繋げた瞬間から泣いている事に驚かれ、爆笑され、心配され、泣いたまま桃鉄をした。泣きながらサイコロを振り、泣きながらキングボンビーから逃げ、泣きながらスリの銀二に遭遇し、泣きながら目的地へ向かう。声が震える。この頃には一周回って笑えてきた。例えゲームで何が起きようとも「だって推しが解雇されたから」って言えば許される世界だった。本格的に悲しむ前に始まってしまった桃鉄のおかげで、二時間半近くはなんとか泣きながらも平静を保てていた。元気だして、と数日後には新婚夫婦になる二人に慰められながらもおめでとうの会は幕を閉じた。

 

電話を切り、一人になる。もう飽きるほど泣いたはずなのに次から次へと涙が出てくる。留めておけない独り言をXに放流する。気が付いたら大晦日になっていた。

 

五人の動画はどうしても勇気が出なくて見れなかったけど、その動画を見たファンの人が「自担にこんな顔させたの一生許さない」と言っているのを目にした。昨日まで同じグループとして切磋琢磨していたメンバーの一人に投げ掛ける言葉がそれなのか、と怒りよりもただただ悲しかった。じゃあもう、一生許さなくていいよ。私もあなたを一生許さないから。

 

こんな酷い言葉、絶対大晴くんに読んでほしくないと思った。心から。いてもたってもいられず、気持ちの悪いお気持ち表明をtiktokで流した。ジャニーズがマッチングアプリにいたらこんな感じだろうな〜っていうクソみたいな動画ばかり上げていたしょうもないアカウントで突然あんな文章が上がってびっくりした人もいると思う。ごめんやん。でもオススメから来ましたって人達が大量にコメントしてくれて、あんな拙いオタクの戯言をおすすめしてくれるtiktok優し過ぎるやろって思いながらコメ返してたけどもう追いつけない程の量になってしまったので今は見れてません、すみません。ワンチャン大晴くん見てくれたんやない?とか思ってるけど、ワンチャン過ぎる。大丈夫、ノーチャンです。

 

寝れないまま大晦日を迎えた。何が夢で現実なのか分からない。泣き腫らした目のおかげでただでさえ酷い顔面が更に人間とは思えないレベルの高クオリティに仕上がってしまい、家族と買い出しに行く時マスクと帽子を深く深く被り顔を隠す羽目になった。でも隠しといて良かった。車に乗っていても、スーパーでカートを押していても、サッカー台で袋詰めしてても、まるで壊れた蛇口みたいにずっと涙が出続けていた。

 

おせち用に売り出されていた数の子を見て、大晴くん来年は食べれるようになるかな〜とか考えて泣いた。駐車場で帰省したての若い男の子が初心者マークを貼り付けた車に家族を乗せて運転している姿を見て、イキリって言うのやめてくれへんかな!ってぷんぷんしながら車から降りてくる大晴くんを思い出して泣いた。

 

どこに居ても何を見てもずっと、ずっと、ずっと、馬鹿の一つ覚えみたいに大晴くんの姿しか浮かんでこなかった。

 

嵐から始まり、二桁ジャニオタ人生を歩んできた自分にとって彼が「最後の自担」だった。A!groupの顧客として骨を埋める予定だった。

 

出会ってしまった君は太陽

 

初心LOVEの歌詞にあるこれ、道枝さんは長尾だと言っていたけど(仲良しみちなが可愛いね)私にとっては間違いなく大晴くんだった。

 

大晴くんがいれば悲しくてもワイパーで涙を拭ってくれるし、どんなに天気が悪くたって大晴くんが輝いているから心の中はずっと快晴だ。だって、太陽がある限り人間は生きていられる。

 

太陽がいないと、人間はどうなるんだろう。

 

終始泣きっぱなしでたまたま通知が来た他界隈のインスタライブを見ながら年を越して迎えた元旦、初詣での遭遇情報があがった。

 

やっと呼吸出来た気がした。

 

ああ、良かった。大晴は生きてる。生きて年越しして初詣行ったんだね。ちゃんと厚着して行って偉い、あのファーのついてる黒のダウン可愛いよね。良かった。

 

30日以降、唯一幸せを感じられた瞬間だった。

 

コンプライアンス違反が何なのかも分からない。勝手な想像や憶測、なんのソースもない悪質なデマや噂話に踊らされて彼に酷い言葉を投げ掛けている人達がいる。今でもいる。〝違反〟の時点で責められても仕方ないとは思うけど、でもそれを自担に諭せるほど大人ではない。性格がひねくれているので「大晴くんも悪かったとは思う」なんて、死んでも口に出したくはない。事実がなんであるにせよ、だ。一体何がどう悪かったのか何も説明されない限りはこのスタンスで生きていく。

 

ここ数ヶ月、やたら名指しで叩かれきていた。文化祭の件でも酷く燃えた。わかる、確かにわかる。彼が過去に余計な事をしたのも認める。でもイエローカード二枚貰っても退場せず、なんならエースストライカーとして華々しくピッチを駆け回りチームに得点を入れ続けた功績まで否定しないでほしい。いつだって諦める事は簡単だけど、継続するのは難しい。批判に晒されながらもこの世界のてっぺんを諦めないでいてくれた大晴くんには感謝の気持ちしかない。だから彼が好きだった。だからずっと応援していたかった。

 

そして、一ヶ月経った。

 

色々と変化はあったけど、全てについていくのは無理だと思った。無理というか、ついていくこと自体を諦めた。二日に一斉更新されたブログで一瞬救われた気になって、三日のラジオで振り出しに戻り、そして一ヶ月の間にとうとう全てを諦めた。唯一理解出来たのは、

 

「アイドル福本大晴が居なくなった瞬間に自分のオタク人生も終焉を迎えた」

 

ということ。だから、私の一つ目の命日は20231230日。今だらだらと書き綴っているのは亡霊。

 

A!groupの福本大晴」が好きだったから、彼が表舞台に帰ってきてくれた時そりゃ勿論馬鹿みたいに喜ぶとは思うけど、正直本当に心から応援出来るのかって聞かれたら即答が出来ない。ずっと六人でいてほしかった。六人で五大ドームツアーしてほしかった。音楽の特番の司会もしてほしかった。ラヴィットのレギュラーに返り咲いてほしかった。大晴くんだからこそ任せられる仕事をいっぱいしてほしかった。六人でデビューしてほしかった。城ホールで、ドームで歌ってる六人を見たかった。オレンジのペンライトを振りたかった。いつも赤と間違えないように必死に探してくれる大晴くんに、見つけて欲しかった。

 

今でも思ってる。

 

今でも思ってしまうから、きっと苦しい。諦められないから目に映るもの全てが辛い。受け入れられない。何もかも捨てきれない。希望も夢も全部。

 

大晴くんは太陽だけど、聖人君子ではない。

 

感情がすぐ顔に出るところ。気分の浮き沈みが激しいところ。イエローカード食らったところ。欠点なんて指摘し始めたらいくらでもある。

 

でも、だからこそ魅力的だった。

 

等身大の24歳の男の子が自分の職業であるアイドルに必死に向き合ってくれている姿に、私達はずっと救われてきた。ずっと励まされてきた。ずっと好きでいられた。コロナ禍の時、離れんといてほしいってお願いされたせいで一生離れられる気がしないよ。離れてええよって言われてもきっと離れられない。善処しますとしか答えられない。きっと、大晴くんの口から何かしらの答えを聞かない限り、成仏出来ない。

 

福本担の皆さんへ。

オタクの数だけ応援の仕方があると思ってるから自分の意見が総意とは思ってないし、寧ろ少数派のような気もしてる。だから同じ福本担でも解釈違いの人達は存在する。それでいいと思う。同じ人を好きって気持ちだけ合致してたらいいじゃんね。前を向くのも正解だし、前を向けなくても正解だし、途中離脱するのも正解。全部正解。合ってる。

 

ガーガーガーガー言い続けてる他担へ

 

 

一ヶ月経っても相変わらず心の整理なんて出来てないけど、一回今の気持ちを綴っておきたかっただけ。多分、明日もいつも通り大晴くん可愛い可愛いbotとして生きていきます。次気持ちを書き連ねる時は成仏出来てますように。